2010-01-01から1年間の記事一覧

薄羽カゲロウ日記 (神無月三十一日)

「わが南京虫闘争」とでもいいましようか、原因がはつきりとしない発疹やアレルギーと思われる病気の要因が、ようやく南京虫によるものではないか、とつきとめた。医学的知識が皆無にも関わらず、何者かの声に導かれるように対処方法ならびにその病名とおぼ…

薄羽カゲロウ日記(葉月二十二日)

午前三時三十分起床。昔の東京での出来事を時系列的に追つてみる。 ニ〇〇〇年(平成十二年)四月頃、新宿西口で浮浪者が強制排除されるのをテレビで鑑た。 新宿中央公園に住む人々を軽蔑してはならない「森の哲人さん」と呼びましよう、と友人に教えられ、…

薄羽カゲロウ日記(葉月五日)

現代における小説の意義のひとつとして、生活のなかでさまざまな奇妙な現象が起こり始めた時、その現状をつまびやかにして皆に問い掛けてみる手段という役割があらたに加わつたようにも思います。 私も京都七条で生まれて初めて気絶というものを経験してから…

薄羽カゲロウ日記(睦月二十一日)

「人間だつたらよかつたのにね」 農村に住まう農家の年老いた夫婦らしき旦那が、一人息子を都会の会社にやるための代わりの働き手として大きなホルスタインの牛を会社からもらい、牛に対してこう呟く。平成の初期に大賞をとつたコマーシャルですが、ここには…

薄羽カゲロウ日記(睦月二十日)

平日に普段の服装で出歩いても違和感がなくなつてきました。 8年前ですが、会社から休暇をもらつて岡山を訪れ、商店街を歩いていると、私と同年代の人は当然のように仕事で背広姿で歩いている。普段の服装で歩いているのは若い学生風の男か主婦か六十過ぎた…

薄羽カゲロウ日記(睦月十九日)

午前3:00起床。午前9:30松井山手行の普通列車に乗り、三ノ宮駅に(往復800円也)。今日は月に一度の本の買い出しに出掛けました。最近、伊藤仁斎の朱子学における「義」とは、「為すべき所を為し、為すべからざる所を為さぬ」という意味であると…